2012/2/6

レビュー

『SUPER SHOT4』収録曲・詳細レビュー Asphodelus (Liquid Bass Mix)/Ceui

SUPER SHOT4ジャケット表一_Blog用
SHOT MUSIC発のリミックスアルバム『SUPER SHOT』シリーズの最新作『SUPER SHOT4』収録曲の詳細レビューですが、また止まっていました。
大変申し訳ございません!
発売後になってしまいましたが、改めて書き上げて行きたいと思っております!
引き続きまして宜しくお願い致します!
今回、詳細レビューで取り上げるのは6曲目に収録されているAsphodelus (Liquid Bass Mix)です!
06 Asphodelus (Liquid Bass Mix)/Ceui
『穢翼のユースティア』 オープニングテーマ

『月は東に日は西に ~Operation Sanctuary~』『夜明け前より瑠璃色な』『FORTUNE ARTERIAL』ほか、大ヒットゲームを次々に生み出してきたゲームブランドAUGUSTが、2011年4月28日にリリースした意欲作『穢翼のユースティア』
これまでAUGUSTが手掛けてきたゲームのストーリーの根底に流れていた「明るく楽しい雰囲気」とは全く異なり、退廃的な世界観をベースにした、シリアスかつハードなストーリーを盛り込んだ『穢翼のユースティア』。
このゲームのオープニングテーマである『Asphodelus』(アスフォデルス)は、ゲームの持つ荘厳な世界観を緻密なサウンドワークで表現したシリアスで、ファンタジックなナンバー。
三拍子をベースにし、Ceuiさんの透き通ったボーカルと、ストリングとコーラスがどこまでも広がっていくこの「Asphodelus」を聴いた時、緻密さと難解さが半端なくてダンスミュージックにリミックスするイメージが正直なところ全く沸きませんでした。
聴けば聴くほど、オリジナルの世界観を上手く表現したダンスミュージックに仕上げるのは不可能だと考えるようになりました。
色々と悩んでいる中、『穢翼のユースティア -Original CharacterSong Series- EUSTIA』で、ヒロイン ユースティア・アストレアのキャラクターソング「空種-そらたね-」を聴いたところ、ゲームの世界観を完璧に表現した曲調に感動しました。
この「空種-そらたね-」を制作したのは斉藤広祐ことkors k
「空種-そらたね-」で『穢翼のユースティア』の世界観を熟知したkors kであれば、「Asphodelus」の世界観をリスペクトしたダンスミュージックに仕上げてくれると考え、リミックスの制作を依頼しました。
これまで様々なジャンルに挑み、その鬼才っぷりを満天下に知らしめていたkors kが、史上最大の難曲「Asphodelus」をどのように仕上げたのか。
本気でもう待ちきれません!
5曲目のKaleidoscope (Magical club Remix)が華やかなフィナーレを迎え、その余韻を冷ますかのように訪れるひと時の静寂。
その静寂の闇の中から、ゆったりと輪郭を浮かび上がらせるサウンド、Asphodelus (Liquid Bass Mix)が遂にその姿を現しました。
心臓の鼓動を連想させる音が響く中、森の中で蠢く鳥や狼を思い起こさせる効果音と、厳かに響くシンセのメロディーが溶け合い、目の前に深遠な世界が広がります。
0:20からはシンセが追加され、徐々に、なおかつ確実に音の厚みが追加。
0:30からはAsphodelusを印象付けるコーラスが出現しますが、ここではあえて全てをさらけださず、ノイジーなSEと絡めながら途切れ途切れで出す絶妙なテクニックによって、じりじりと焦らします。
期待感を上手く煽るこの引っ張り方、絶妙です。
シンセで徐々に高めて行った後、0:38になりリズムが遂にスタート!
聴き手の心をガッチリと捉える策士kors kの巧みな演出に心が沸き立ちます。
残響するリズム、上空を旋回するメロディー、徐々に高まっていくサウンドでぐっと気分を高揚させた後、1:16でメインのメロディーと共にこの曲を印象付ける低く唸るベースが出現!
メロディーの出現と共にコーラスもスタートし、至高の世界が一気に花開きます。
しかし、まだここではボーカルは始っていません!
メロディーとリズムで一つの頂点を形成した後、1:36になりここでやっとCeuiさんのボーカルが遂にスタート!
ここまでの焦らし方、持っていき方、kors kの卓越したセンスが炸裂します。
ボーカルがスタートすると音数が少し減り、ボーカルが浮き出る展開に。
唸るベースが低音部分をしっかりと固める中、六拍子のリズムに澄みわたったCeuiさんのボーカルが響き、心地よさはもう別天地!
そして、うねるベースと、ビビットなシンセを合いの手のようにそれぞれ相対峙させることにより、絶妙なグルーブ感が生み出されます。
しかも、このシンセ、出るタイミングが微妙に変化しているという究極のこだわりっぷり!
ミクロ単位で施されたテクニック、この緻密に練り込まれた技には、もう脱帽です。
その後、細かく切り刻まれたリズムとシンセで盛り上げて行き、一拍あけたあと、2:20から最初のサビに突入。
左右に広がった壮大なシンセと、低くうねるベースで生み出された音の海の中、Ceuiさんのボーカルが心地よく泳ぎだします。
また、ボーカルに対して、合いの手のようにピアノを鳴らすことによって絶妙なグルーブ感を生み出すという、絶品のテクニックがここでも炸裂。
さりげなく差し込まれている高度なテクニック、本当に凄いです。
サビの最後のドラムロールと「光の景色へ」という歌詞がマッチし、最初のクライマックスを迎えます。
この部分の心地よさ、もう最強!
その後間奏に入り、kors k節とも言えるシンセによる浮遊感溢れる展開でテンションをキープ。
その後、二番がスタート。
ここでは一番と異なり、ベースとビビットなシンセを同時に鳴らし分厚い空間を作り出し、ピアノの調べで構築された静かな空間が合いの手のように交互に繰り返されます。
コントラストをはっきりすることにより、より強いグルーブ感を生み出すという、kors kの深謀な企てがここに差し込まれます。
グルーブ感を強化し、期待感を煽りながらこのままグングン加速して盛り上げていくのかと思いきや、3:31からは一転して、徐々に音が静かになっていくクールダウン展開に。
オリジナルとは異なった展開に、胸を時めかせながら聴いていると、徐々に音が減って行き、3:48にはベースも完全に消えます。
そして、そこからドラムロールでグッと持ち上げてからサビで大爆発!
サビでの爆発をより激しくする為に、前の部分を作為的に落とし、その落差で昇天させるという展開、見事です。
しかも、二番のサビを詳しく聴くと、いつの間にかリズムが4つ打ちに!
それに合わせベースの鳴り方も変化させるなど、kors kの盤石のテクニックが完全バックアップ!
ここでまさかの4つ打ちの出現、本気で凄すぎて言葉を失いました。
サビのあと、六拍子のリズムに戻り、低くうねるベースとシンセで構築された空間の中、コーラスが響き渡る極上空間が広がります。
4:47からはベースが消え、一転して静かな展開へ。
雰囲気を徐々に高めて行き、一呼吸を置いてから5:10で最後のクライマックスへ突入!
この高め方、もう絶品です。
しかも、サビの一番最後のクライマックスではベースが一旦姿を消し、ドラムロールで煽るという、今までになかった演出が施され、よりドラマティック盛り上げます。
最後の最後、ギリギリのところにまで盛り込まれたこの拘り、本当に凄すぎです!
オリジナル・バージョンの持つ荘厳で繊細な世界観をインテリジェンス溢れるサウンドワークとドラマティックな展開で見事に表現したAsphodelus (Liquid Bass Mix)/Ceui、ダンスミュージックの醍醐味と独自の解釈も見事に提示し、さらには全ての個所に変化を付けるというkors kの拘りっぷりと鬼才っぷりもじっくりと味わって下さい。
SUPER SHOT4オフィシャルサイトではAsphodelus (Liquid Bass Mix)の一部試聴も行っています。詳しくはwebサイトをご覧くださいませ。
◆SUPER SHOT4 オフィシャル サイト◆
http://shot-music.com/shot007/supershot4/